ことこと便り

岡山県津山市(旧久米町)の山・川などを拠点に活動する小さな森のようちえん

入園・体験の詳細は、 ことことオフィシャルサイトをご覧ください

「森のようちえん ことこと」に息子を通わせてみて

森のようちえん ことことに通ってくれてる子のお母さんが、地元の町営子育て支援センターに頼まれて、素敵な文章を書いて下さいました。この文章は、鏡野町子育て支援センター”すまいる”の”すまいるだより7月号”に掲載されました。いろんなメディアの記者の方に記事を書いて頂いたて有難かったけれど。ことことで共に悩みながら一緒に子育てしているお母さんからの言葉は最高に嬉しい!

 

 

 「おかあさん、きょうはさんぽしてトトロの木を見に行ったんで。」

 帰りたくない、というのを何とかなだめて乗せた帰りの車の中で、息子は嬉しそうに話してくれます。

 

 森のようちえんの事を知ったのは、大好きだったパン屋さん「タル・マーリー」の智頭町への移転理由の一つが、お子さんを森のようちえんへ通わせるから、という事からでした。そしてその少し後に、お友達の誘いで園長の奥様、澁谷奈津美さんのワークショップに参加し、その時に「森のようちえん ことこと」が2017年春からスタートすることを聞いたのです。弟の育児休暇で休んでいるため、今年4歳になる兄は公立保育園への入所はできず、かといって私立幼稚園では仕事復帰後困るため、この一年どうしたものかと悩んでいた矢先のニュースでした。

 

 今年から預かり保育を始めるということで、ゼロからのスタートですから、最初はどんなものなのかと不安はもちろんありました。しかし日本各地で行われている森のようちえんの活動を知り、そして園長である澁谷太郎さんのお話やお人柄を知るにつけ、森の中での体験を通して得られるものに興味がわき、こと活動的な兄を自然に触れさせることが今後の成長にもきっと良い影響になるのではないかと考え、入園を決めました。

 

 森のようちえん ことことのあずかり保育には毎日型とチケット制の二種類があります。チケット制は回数券のような形で、今週は一回、来週は二回などと選べるので、我が家はそちらを選びました。今は火曜日か水曜日のどちらかに行くようにしています。

 

 火曜日に連れて行った時には久米ロッジで、ロッジの両側にある山を散策したといい、大人の握りこぶしより大きな松ぼっくりを拾ってきました。

 水曜日はクッキングの日で、包丁と野菜一品、お米を持たせました。「おみそしるつくったんで、僕 小松菜切ったんでー。」と教えてくれた息子からほんのり煙の臭い。先生から聞いたら、なんと羽釜と薪でごはんとお味噌汁を作っているとのこと。「おいしいおいしいって言って、いっぱいお替りしてましたよ。」と保育士のゆき先生が教えて下さいました。マッチで火をつけるところから一生懸命作ったご飯、そりゃおいしいだろうなあと思いました。

 

 園長先生の家でもある、ことことハウスで活動する日は、近くにある樹齢500年の木の下で朝の会をするところから始まります。その日の活動を子どもたちで決め、自分たちで考えながら行動しているようです。お迎えに行った時には、帰りの会で先生のお話や読んでくださる絵本に集中している息子の顔を見ることもできます。

 

 最近大きくなって普段は昼寝をしていない息子も、森のようちえんの日は帰りの車ですぐ寝てしまいます。それだけ活動の中で体と感覚を使っているのだなあ、と嬉しく思っています。

 私自身が自然一杯の中で育ち、いざ息子たちが生まれ周りを見ても、なかなか自然に触れる機会がない中、自然とともに成長できる森のようちえんと出会えたことにとても感謝しています。これからも目に見えない部分でも大きく成長していってくれたらなあと思っています。