ことこと便り

岡山県津山市(旧久米町)の山・川などを拠点に活動する小さな森のようちえん

入園・体験の詳細は、 ことことオフィシャルサイトをご覧ください

命について(5/7のおさんぽ会から)

5月7日に無事に今年度第一回目の森のようちえんを開催しました。
気持ちいいお天気の下、大勢の親子に参加して頂き、皆クタクタになるまで遊びました。

特に春から秋にかけて森を散歩していると沢山の動物に出会います。ミミズ、蟻、てんとう虫、ムカデ、カエル、鹿等々。森のようちえんの醍醐味の一つは、子ども達が自然に生きる動物達と沢山触れ合える事です。子ども達は、自分が気になる動物に出会うと必ず興味を示して、観察したり、触ったり、大人に見せに来たり、怖がったり。色んな方法で、動物達と会話します。

今回の活動中も沢山の動物に出会いましたが、一つ心に残る出来事がありました。参加してくれた小学生の男の子達が、ムカデを見つけて棒で捕まえました。僕は、どうするのかなぁ?とムカデに咬まれるような危ない行動をしないかどうかだけ見守りながら、彼らの様子を見ていました。すると、彼らはそのムカデを玩具のように徹底的に苛め抜いたあげく、殺してしまいました。彼らの中に一人だけ、かわいそうだから止めてほしいと言った少年がいましたが、その訴えもむなしく ムカデの体は残酷な程 めちゃくちゃにされてしまいました。

僕はその様子を見ながら、色んな事を考えずには居られませんでした。彼らの命という感覚に対する希薄さに、僕はどんな言葉をかけるべきだったのか?ムカデを殺す事に全く抵抗感じ無かった子と、殺すのは可愛そうだ訴えた子、彼らの命に対する感覚の違いはなぜ生まれたのだろう。今後、森のようちえんの子ども達にどうやって命の感覚を教えていけば良いのだろう?これらの疑問に対して直ぐには答えを出せそうに有りませんが、これからじっくり向き合うべき大切な課題を貰ったような気がします。

命の大切さを教える事について、親子遊び研究家の篠秀夫さんはブログで、子ども達に『物語』を語ってあげる方法を提案しています。”
「アリさんの物語」を聞いた子は、「殺して遊ぶ」のではなく、アリさんの活動に興味を持つようになり、「観察して遊ぶ」ようになるでしょう。”(http://plaza.rakuten.co.jp/moriheikou/diary/201604140000/より。)ここに何か良いヒントがあるような気がします。

次回活動日は、2015年5月26日(木) 10:00~14:00です。

下の写真は、てんとう虫を見つけた女の子の様子です。この後、てんとう虫は空へ飛んでいきました。ちっちゃな可愛いてんとう虫に、何を感じているんでしょうか…。うーん。
てんとう虫